【ワシントン=川合智之】米海洋大気局(NOAA)は6日、今年3月の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度が測定開始後初めて400PPM(PPMは100万分の1)を超えたと発表した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は地球温暖化の被害を避けるにはCO2やメタンなど温暖化ガスの濃度を計450PPMまでに抑える必要があるとしており、危険水域に達した形だ。
「産業革命後、人間が化石燃料を燃やしたことでCO2濃度は120PPM以上増えた」とNOAAの研究者は指摘し、温暖化防止にはCO2排出削減が必要だと訴えた。濃度は世界の40地点で採取した試料から測定したもので、植物が光合成でCO2を吸収するため、春をピークに夏にかけて濃度が下がる傾向にある。