民主党の枝野幸男幹事長は9日、金沢市で開かれた集団的自衛権の行使容認に関するシンポジウムに出席し、安倍政権が今国会で安全保障関連法案の成立を目指していることを批判した。「行使容認に伴うリスクを国民に説明できていない」などと語った。
枝野氏は、行使を容認した昨年7月の閣議決定に触れ「恣意的な憲法解釈の変更で、容認できない。認めなくても現状で日本が困ることはない」と党の立場を説明した。
夏までの関連法案成立を米議会で約束した安倍晋三首相に対し「国民に対する姿勢として問題がある上、成立の保証も担保もないのに同盟国に手形を切った。守れなかった時に日米関係が悪化するリスクを考慮していない」と反発した。
法案の成立阻止に全力を挙げる考えを表明。「世論を喚起しなければならない。自民党の中で『本当は嫌だ』と思っている人が首相に反抗するようにするのがわれわれの仕事だ」と述べた。
柳沢協二元官房副長官補も、日米で合意した新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)に関し「自衛隊の役割が地球規模になる。他国軍隊並みの、憲法上存在しないはずの軍隊になる」と懸念を示した。〔共同〕