【ウィーン=共同】マケドニア北部クマノボで9日、警察の特殊部隊が武装勢力の摘発に着手したところ、銃撃戦になり、10日までに警官8人と武装勢力14人の計22人が死亡、警官37人がけがをした。内務省の報道官が記者会見し明らかにした。
報道官は武装勢力について、アルバニア系で「コソボから入国したテロリスト」とし、マケドニアの政府関連施設の攻撃を計画していたと述べた。銃撃戦は10日、ほぼ収まったが、警察は現場の捜索を続けており、新たな遺体が発見される可能性があるとしている。
マケドニアでは少数派アルバニア系の過激派が自民族の居住地域をアルバニアと統一する「大アルバニア主義」を唱えており、民族対立の火種がくすぶっている。
地元メディアによると、摘発作戦は9日早朝に始まり、武装勢力側が自動小銃や爆弾などを使って抵抗。一方で投降した武装勢力メンバーも30人以上に上った。
銃撃戦に伴い、付近の住民が避難した。報道官は記者会見で、市民に被害が出ているかどうかには言及しなかった。
クマノボは首都スコピエから北東に約40キロ。アルバニア系住民が多く、2001年にアルバニア系勢力が武装蜂起した際、政府軍との戦闘の中心になった。
マケドニアでは政府首脳の汚職を示す会話を盗聴したとするテープの録音を野党が公開、反政府デモも続き、政情が不安定化している。