東芝は13日、下水処理施設で発生するバイオガスから二酸化炭素(CO2)を回収し、藻類の培養に有効活用する実証事業を佐賀市で始めると発表した。回収するCO2を藻類の光合成の原料として使い、大気中に排出するCO2量を減らす試みだ。東芝は実証事業を通じて高濃度のCO2を効率よく分離・回収できる設備を開発し、2~3年後の実用化を目指す。
実証事業は藻類の培養を手掛けるバイオベンチャーのユーグレナ、佐賀市などと実施する。1日あたり200キログラムのCO2を回収できる設備と藻類の培養設備を佐賀市下水浄化センターに設置し、2016年から稼働させる計画だ。下水中に含まれる窒素やリンも培養の栄養源として使う。藻類は飼料や肥料への活用を検討する。
下水処理施設向けのCO2回収設備が実用化すれば、環境負荷を減らせる。回収したCO2を外部に販売することで、施設の運営コストを減らすことも可能になるという。