【NQNニューヨーク=大石祥代】14日のニューヨーク外国為替市場で円相場は横ばいだった。前日と同じ1ドル=119円10~20銭で終えた。円相場の売買を積極的に手掛ける雰囲気に欠き、前日の終値を挟んでのもみ合いが続いた。
このところ続いた米長期金利の上昇が一服し、日米の金利差が再び縮まるとの思惑から円買い・ドル売りが先行した。一方で、積極的に円を買う材料に乏しいなか、円が対ユーロで大きく下げたことにつれ、対ドルでも次第に円売りが増えて相場の重荷となった。
朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数では、過去4週間の平均が2000年4月以来の低水準となった。米労働市場の改善が続いていると受け止められたが、円の対ドル相場の反応は限定的だった。
円の高値は118円95銭、安値は119円34銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比70銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=135円90銭~136円ちょうどで終えた。このところ欧州主要国の国債利回りが上昇基調を強めてきたことから、今後も欧州と他の地域の国との金利差が広がっていくとの見方が根強く、円やドルなどの主要通貨に対してユーロを買う動きが続いた。
ユーロは対ドルで3日続伸した。前日比0.0055ドル高い1ユーロ=1.1405~15ドルで終えた。ユーロ圏での金利上昇が目先は続くとの観測から、ユーロの売り持ち高を縮小するための買い戻しが優勢になった。欧州時間にユーロは一時1.1445ドルと2月19日以来およそ3カ月ぶりの高値を付けた。
一方で、ユーロがやや売られる場面もあった。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は14日、現行の金融緩和政策について物価安定の達成が確認できるまで「必要な限り」続けるとの見方を示した。国債購入を含む量的金融緩和が早期に終わるとの思惑が後退し、ユーロ売り・ドル買いが出た。
ニューヨーク市場のユーロの高値は1.1440ドル、安値は1.1343ドルだった。