東京電力は15日、福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋全体を覆う建屋カバーの本格解体に向け、屋根パネルの穴から放射性物質の飛散防止剤の散布を始めた。1週間程度、散布した後、パネルの解体に着手する。
8月中旬までに屋根パネルを取り外し、建屋上部を調査する予定。約1年かけてカバー全体を解体した後、建屋上部のがれきを撤去する。2019年度前半にも、使用済み核燃料プールからの燃料取り出しを開始する予定だ。
15日の作業では屋根に6枚あるパネルのうち2枚に開けた穴に遠隔操作のクレーンで機器を差し込み、6千リットル程度の飛散防止剤を散布。
東電は昨年10月、1号機で屋根パネルに計48個の穴を開け、試験的に飛散防止剤をまくなど解体に向けた準備作業に着手したが他の工事と重なるため冬に中断していた。〔共同〕