青色発光ダイオード(LED)の開発で2014年のノーベル物理学賞を受賞した名城大の赤崎勇終身教授、名古屋大の天野浩教授による記念講演会が10日、名古屋市内で開かれた。赤崎氏は研究を始めた時の苦労話などを語り、天野氏は最新の研究動向に触れながら「社会貢献に向けてオールジャパンで取り組む」と抱負を語った。
講演会は両教授と共同研究した豊田合成や名古屋大、名城大などが開催した。約1600人が傍聴した。
赤崎氏は湯川秀樹氏が1949年にノーベル物理学賞を受賞した時の思い出に触れ、食糧難の戦後の「暗かった世相が明るくなった気がした」と述べた。当時学生だった赤崎氏は「自分も人のやっていないことをやりたい」と強く感じたという。
窒化ガリウムを、青色LEDの材料に選んだ理由について「LEDは将来大量に使われるだろうから、材料はタフでなければならない」と述べ、実用化を意識していたことを強調した。
天野氏は窒化物半導体を使った世界の研究成果を紹介した。「通信機械や医療分野にも応用できる」と述べた。