【ニューヨーク=西邨紘子】遺伝子組み換え種子大手の米モンサントが24日発表した3~5月期の決算は、純利益が前年同期比33%増の11億4100万ドル(約1415億円)だった。トウモロコシ種子の販売増に加え、研究開発費を12%削減しコストを抑えたことが利益拡大に貢献した。1株利益は2.39ドルで、前年同期の1.62ドルと市場の予想(2.07ドル程度)を共に上回った。
売上高は同8%増の45億7900万ドルだった。主力の遺伝子組み換え種子部門は5%の増収。トウモロコシ種子は米国向けの新商品が好調だった。大豆は伸び悩んだ。
同社は2015年8月通期の業績見通しを、1株利益で5.75~6.00ドルの下限近くとした前回予想を据え置いた。今後も穀物価格の下落による農家の収入減やドル高などの逆風が続くとみている。対応策としてコストの見直しを進めており、17年8月通期末までに3億~5億ドル規模のコスト圧縮を目指す方針。
5月、モンサントはスイスの同業大手シンジェンタに5兆5000億円規模の買収提案を提示した。その後、提案内容を改善したが、シンジェンタは拒否の姿勢を維持している。モンサントのヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、両社の統合は研究開発能力の強化やコスト削減効果などにつながると強調した。