総務省が26日発表した5月の消費者物価指数(CPI、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が103.4と前年同月比0.1%上昇した。上昇は24カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値は横ばいだった。4月は0.3%上昇だったが公共料金などで残った前年の消費増税の影響を除くと横ばいで、5月の物価上昇率は前月比で実質的に僅かに上振れた。
生鮮食品以外のコーヒーなど食料に加え、宿泊料や外国パック旅行がプラスに寄与した。ルームエアコンやテレビなどの耐久消費財では新商品への切り替えが進む中で、4月からマイナス幅が縮小した。原油安が引き続き物価の抑制要因となり、ガソリンや灯油などの石油製品を中心にエネルギー価格は下がった。品目別では上昇が332品目、下落が145、横ばいは47だった。
食料・エネルギーを除く「コアコア」のCPIは101.1と前年同月比で0.4%上昇した。4月(消費増税の影響を除き0.2%)から伸び率が拡大した。先行きについて総務省は「緩やかな上昇が見込まれる」としている。生鮮食品を含む総合は104.0と0.5%上昇した。
先行指標となる6月の東京都区部CPI(中旬速報値、2010=100)は、生鮮食品を除く総合が102.1となり、0.1%上昇した。伸び率は5月(0.2%上昇)から鈍化した。食料価格が上がる一方、電気代や都市ガス代などエネルギー価格が軒並み下落した。コアコアCPIは0.2%の上昇で、5月(0.1%上昇)からやや強含んだ。昨年6月以降、携帯電話各社が通話料を引き下げた影響が一巡したという。〔日経QUICKニュース(NQN)〕