雇用情勢の改善が続いている。厚生労働省が26日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.19倍と前月から0.02ポイント上昇し、23年2カ月ぶりの高水準になった。雇用環境の好転で就業した人が増え、新たに仕事を探す人が減っている。総務省が同日発表した完全失業率は3.3%と、18年ぶりの低水準になった前月と同じだった。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。倍率が高くなるほど、求職者は仕事を見つけやすく、企業は採用が難しくなる。
新規求職申込件数は47万2079件と前年同月比で10.8%減った。一方、新規求人数も77万3440人と前年同月比で4.0%減ったが、求職者が減った影響の方が大きかった。
失業率も改善傾向が続いている。完全失業率は働ける人のうち、職に就かずに仕事を探している完全失業者の割合。女性の失業率は前月から0.2ポイント下がって3.0%と20年3カ月ぶりの低水準になった。景気回復に伴う人手不足で、女性の就業が進んだ。
完全失業者数は前年同月よりも18万人減って224万人だった。総務省は「雇用情勢は引き続き改善している」との判断を示した。