三重県朝日町で2013年8月、中学3年の女子生徒(当時15)が死亡した事件で、強制わいせつ致死罪などに問われた少年(19)の控訴審初公判が17日、名古屋高裁(木口信之裁判長)であった。検察側は「原判決の量刑は著しく軽く、不当だ」と主張。弁護側は控訴棄却を求めて即日結審した。判決は9月17日に言い渡される。
検察側は「被害者の精神的苦痛は甚大。(少年が)真摯に反省しているとは認めがたく、矯正の可能性も過大に評価することはできない」などと述べ、不定期刑の上限を懲役10年にすべきだと主張した。弁護側は「できるだけ早く矯正教育を受けさせるためにも、速やかな控訴棄却判決をすべきだ」と反論した。
遺族側は意見陳述や少年への被告人質問を申し出たが、いずれも認められなかった。
裁判員裁判だった一審・津地裁判決は「強制わいせつ致死事件の中で相当悪質な部類に属する」と指摘。「身勝手な行為によって15歳の被害者の尊厳が踏みにじられた」などとして、懲役5年以上9年以下の不定期刑を言い渡した。検察側が量刑を不当として控訴していた。