政府は18日、2020年度までのインフラ整備の指針となる「社会資本整備重点計画」を閣議決定した。集中豪雨などの気象災害や巨大地震への対策を強化する。インフラの老朽化対策、高齢化社会に対応した主要鉄道駅のホームドア設置増などの目標も盛り込んだ。
国土交通省を中心に取りまとめた。12年度に決定した現行計画は16年度までが対象だが、インフラの老朽化の進行や、南海トラフなどの巨大地震への対応の必要性が高まったと判断して、前倒しで見直しを進めてきた。
今月は台風18号に関連した豪雨が関東や東北に大きな被害をもたらした。同計画では、人口集積地などの河川の洪水対策の整備率(河川整備計画で決められた長さに対する率、国管理)を76%(14年度71%)に高める目標を定めた。南海トラフや首都直下の巨大地震で震度6強以上が想定される主要鉄道路線の耐震化率を17年度に100%(13年度94%)に高める。道路などの効率的な維持管理・更新を進める。
高齢化社会に対応し、1日平均利用3千人以上の駅についてホームドアを整備した駅の数を20年度に800駅(同583駅)に増やす目標を掲げた。高齢者施設などを併設する大規模な公的賃貸住宅団地数の割合を25%(同19%)に上げる。
今後は2年ごとに達成状況について把握、公表する。国交省の地方整備局などが中心となり、今年度内をめどに、全国10の地域ごとの社会資本整備重点計画を策定する。