愛知県蟹江町で2009年、女性会社員一家3人を殺傷したとして、強盗殺人罪などに問われた中国籍、林振華被告(32)の控訴審判決が14日、名古屋高裁であった。石山容示裁判長は死刑とした一審・名古屋地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。林被告は控訴審判決に出廷しなかった。弁護側は上告する意向を示した。
控訴審では一審に続き、林被告の犯行が「強盗殺人罪」に当たるかが争点だった。弁護側は被告が女性会社員に見つかってすぐに逃げようとしたことなどから、強盗殺人罪の成立を否定。計画性や強い殺意はなかったなどとして、無期懲役を主張した。これに対し、検察側は控訴棄却を求めていた。
判決によると、林被告は09年5月1日、山田喜保子さん(当時57)宅に侵入後、山田さんと次男の雅樹さん(同26)を殺害。2日未明に帰宅した三男をナイフで刺して傷を負わせ、現金約20万円などを奪った。
判決後、三男の勲さん(31)が名古屋市内で記者会見し、「これで終わりにしてほしい」と語った。墓前には「一段落したよ」と報告するつもりという。
事件から約3年半が過ぎた12年10月、三重県警が窃盗事件で林被告を逮捕。同被告のDNA型が山田さん宅に残されたものと一致、愛知県警が強盗殺人容疑で逮捕した。