2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故で、原発北西側の地域が放射性物質により汚染されたのは、3号機からの放出が一因だったことが、日本原子力研究開発機構の分析でわかった。原子炉格納容器の圧力を下げるためのベント(排気)などが影響した可能性がある。
原発北西側の地域の汚染は、2号機の格納容器が破損して放出された放射性物質が原因と考えられていた。原子力機構がコンピューターによる解析などで調べたところ、福島県浪江町など約20キロメートルまでの範囲の汚染に、3号機がかかわっていたことがわかった。
3号機では同年3月15日夕に格納容器の圧力を下げるためのベントを実施しており、この際に放射性物質が放出されたとみられる。東電は「(3号機の)格納容器上部に生じた隙間から放出された放射性物質が量としては多いと考えている」として、放射性物質を一定程度除去するベントより、格納容器からの直接的な放出の影響が大きいとの見解を示した。