今年のノーベル生理学・医学賞に決まった大村智・北里大特別栄誉教授(80)は14日、横浜市で開催中のバイオ関連の展示会「バイオジャパン2015」で講演し「微生物は無駄なものは作っていない。捕まえれば何か出てくると思ってやっている」と研究に対する意気込みを述べた。
受賞決定後初めてとなる一般向けの講演。大村さんが登壇すると、約700人の聴衆は全員起立し、拍手で迎えた。
大村さんはアフリカなどに広がる感染症の治療薬開発への貢献が評価され、ノーベル賞受賞が決まった。講演では、ゴルフ場近くで採った土壌中の放線菌から、寄生虫を殺す薬のもととなる物質を発見した経緯などを説明。「放線菌から得られる物質にはまだまだ研究の余地がある」と話し、後進に新薬開発につながる研究を促した。
講演に先立ち、林文子横浜市長らから花束が贈られた。