プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念し、シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が26日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最多勝に輝いた広島の前田健太投手(27)が選ばれた。前田は5年ぶり2度目の受賞で、セからの選出も5年ぶり。
沢村賞の選考基準は15勝、防御率2.50、200投球回、10完投、150奪三振、25試合登板、勝率6割の7項目。今季の前田は登板29試合で206回1/3を投げ、15勝(8敗)、防御率2.09、勝率6割5分2厘、175奪三振、5完投を記録し、完投以外の6項目をクリアした。
藤浪晋太郎投手(阪神)、大谷翔平投手(日本ハム)とともに最終候補に残り、欠席1人を含む5人の選考委員から該当者なしという意見も出たが、6項目をクリアし、シーズンを通した安定感が評価された。堀内委員長は「成績が拮抗し、選びにくかった。意見は分かれたが、3人の中で選ぶなら前田かな」と話した。〔共同〕