個人消費が足踏みしている。総務省が30日発表した9月の家計調査で消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.4%減と2カ月ぶりにマイナスになった。金額の大きい自動車購入費のほか、パソコンやカメラの支出が減った。同日発表した9月の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は値動きの激しい生鮮食品を除いた総合指数が103.4と前年同月比0.1%下落した。下落は2カ月連続になる。
総務省は消費の基調判断を「持ち直している」から「横ばいの状況」に表現を下方修正。景気は生産が一進一退を続けるなかで、消費が再びマイナスになるなど足踏み傾向が長引いている。
消費支出は市場予想の1.2%増を下回った。総務省が基調判断を下方修正するのは12年9月以来3年ぶりだ。
2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり27万4309円だった。季節調整して前月と比べた値も1.3%減だった。
品目別にみると、自動車購入費など交通・通信が9%減、パソコンやカメラなど教養娯楽が2.3%減、シャツなど被服及び履物が0.7%減だった。増加したのは弁当や外食などの食料が0.7%増、エアコンなど家具・家事用品は5.6%増だった。
大型連休で旅行支出が増えたが、押し上げ効果は限定的にとどまった。台風や豪雨で外出を控える動きがみられ、全体の消費は伸びなかった。勤労者世帯の実収入は41万5467円で実質で1.6%減ったことも減少要因となった。
CPIの市場予想は0.2%の下落だった。原油安の長期化を背景に、電気代は6.5%、ガソリンは19.5%それぞれ下がった。エネルギー全体では12.1%下落と09年10月以来のマイナス幅になった。
品目数では上昇が351、下落が124、横ばいが49。値上がり品目が多いことを受け、総務省は「エネルギー以外の物価は引き続き上昇傾向にある」とみている。