国の緊急雇用創出事業として東日本大震災の被災地などにコールセンターを展開した「DIOジャパン」や関連会社への事業委託費約37億円のうち、4億554万円が不正支出だったとする調査報告書を厚生労働省が7日までに、発表した。
厚労省によると、DIO社をめぐっては給与の未払いや事業終了直後の撤退が相次いだ。今年1月に東京地裁で始まった破産手続きは完了しており、厚労省は不正支出の返還は困難と説明。警察にも相談しているという。
不正支出があったのは、岩手や秋田、宮城、福島、岐阜など計10県18市町のDIO社や関連会社の事業所。
4億円余りのうち約2億7千万円は、コールセンターの専用機材などのリースの際に、最終的に譲渡を受ける契約を結んで財産取得していた。基金事業では50万円以上の財産取得は認められていない。このほか実際には負担していない消費税を経費として報告したり、契約外の業務支出に委託費を充てたりするなどの不正があった。
DIO社は震災後の2011年6月から、雇用創出事業を使ってコールセンターを展開。国の交付金を使って県が基金をつくり、その基金からの補助金で市町がDIO社やその関連会社に事業を委託していた。〔共同〕