政府は9日、訪日外国人旅行客の拡大に向けた具体策を検討する関係閣僚と有識者による新たな会議「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を首相官邸で開いた。安倍首相は「観光は成長の重要なエンジン」と述べ、訪日客数を一段と取り込んで国内総生産(GDP)600兆円の目標実現に生かす考えを示した。
訪日外国人旅行者を増やすため、受け入れ態勢拡充を検討する構想会議の初会合であいさつする安倍首相。右隣は石井国交相(9日午前、首相官邸)=共同
日本が観光資源に恵まれ、成長が続くアジア新興国の近隣に位置する利点がある一方、公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」や鉄道網などの環境整備、ホテル不足など課題も多いと指摘。「キーワードは地方と消費」と語り、地方創生や消費拡大に結び付く施策の立案に意欲を示した。
会合では菅義偉官房長官や石井啓一国土交通相ら関係閣僚や、民間の有識者として石川県・和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」のおかみ小田真弓さんら7人も参加。年度末までをメドに新たな観光戦略を策定し、20年までに2000万人とする現在の目標も大きく上積みする予定だ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕