【NQNニューヨーク=内山佑輔】4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に反落した。前日比60銭の円安・ドル高の1ドル=123円15~25銭で終えた。朝方発表された11月の米雇用統計で雇用者数が前月に続いて高い伸びを示した。月内の米利上げ開始が濃厚になったとの見方から円やユーロなど主要通貨に対するドル買いが広がった。
米労働省が4日発表した11月の米雇用統計は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の雇用者数が前月から21万1000人増え、市場予想(20万人程度の増加)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)が15~16日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で約9年ぶりとなる利上げに踏み切るとの見方が強まり、円売り・ドル買いが出た。
ダウ工業株30種平均が369ドル高となるなど、米株式相場は全面高となって投資家心理が改善したことも相対的に金利の低い円の売りにつながった。欧州中央銀行(ECB)が前日決めた追加の金融緩和策が市場の期待に届かず、主要通貨に対するドル安が進んでいた反動からドルを買い戻す動きも広がった。
円の安値は123円38銭、高値は122円75銭だった。
円は対ユーロで4日ぶりに反発し、前日比25銭円高・ユーロ安の1ユーロ=133円85~95銭で取引を終えた。前日に急速な円安・ユーロ高が進んだ反動から持ち高調整を目的とした円の買い戻しが優勢となった。
ユーロは対ドルで反落した。前日比0.0055ドル安い1ユーロ=1.0880~90ドルで終えた。雇用者数の伸びが市場予想を上回った米雇用統計を受け、月内利上げの観測が一段と強まったことが対ユーロでもドル買いを促した。
ユーロの安値は1.0836ドル、高値は1.0951ドルだった。