群馬大病院で男性医師(退職)の腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、被害対策弁護団は19日、群馬県高崎市内で記者会見し、開腹手術を受けた患者5人について「術前に手術をしない選択肢を示さず同意を得たのは違法」とする中間調査報告を公表した。
報告は医師の術前の説明やカルテの記載に不備があった点などを問題として指摘。「手術をしなければ、延命できた」としている。
弁護団は一部遺族から依頼を受け、カルテの分析や専門医の意見を聞くなどして独自に調査。腹腔鏡手術についての中間報告は今年3月に公表した。
学外の有識者だけでつくる調査委も遺族らから聞き取り調査などを進めている。19日にヒアリングを受けた40代男性は「父親に手術を受けさせたのを後悔している。執刀医から説明してもらいたい」と訴えた。
男性医師は旧第2外科で2007年から昨年、肝臓や膵臓(すいぞう)などの手術を担当した。病院では昨年、この医師の手術を受けた患者18人の死亡が判明。その後の調査で、さらに12人が術後一定期間内に死亡していたことも明らかになっている。〔共同〕