宮内庁皇室医務主管として、天皇陛下の前立腺摘出手術や心臓バイパス手術などを指揮した金沢一郎(かなざわ・いちろう)氏が20日午後4時17分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都港区の病院で死去した。74歳だった。連絡先は大学院長を務めた国際医療福祉大総務企画部。告別式の日取りなどは未定。喪主は妻、克子(よしこ)さん。
東京大医学部卒。東大病院長、日本内科学会理事長などを歴任。宮内庁の要請を受け天皇、皇后両陛下の内科系の診療を担当した。1993年に皇后さまに言葉を話せない症状が表れた際の治療にあたった。
2002年から約10年間、皇室医務主管に就き、天皇陛下の手術などを指揮。12年6月から侍従職御用掛も務めた。神経内科の第一人者で、パーキンソン病など難病の研究にも尽力した。日本学術会議会長も務めた。