20日午後7時ごろ、東京都大田区蒲田本町1の環状8号の交差点で、大型観光バスが中央分離帯に進入し、信号の支柱に衝突した。警視庁蒲田署によると、20~70代の乗客24人が病院に搬送されたが、いずれも軽傷とみられる。同署は運転手の菅原正容疑者(58)=東京都足立区大谷田4=を自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で現行犯逮捕し、詳しい原因を調べている。
中央分離帯の信号機に衝突した観光バス(20日夜、東京都大田区)=写真 小高顕
同署によると、菅原容疑者は「ぼーっとしていた」などと話しているという。バスは乗客28人のほか、菅原容疑者と添乗員の20代男性の計30人が乗っていた。
バスは夢湖観光バス(埼玉県久喜市)が運行。この日朝、JR蒲田駅を出発し、山梨県の河口湖などを観光して蒲田駅に日帰りで戻る途中だった。
現場はJR蒲田駅から南東に約500メートルの片側2車線の直線道路。
衝突した信号の支柱は傾き、衝撃の大きさをうかがわせた。付近では通行人らが不安そうな様子でけが人の搬送などを見守った。
大田区在住の専門学校生、酒井航さん(19)は「突然ドーンという爆発のような音が響いた。駆けつけた救急隊が『大丈夫ですか』と声をかけながら、乗客を次々と搬送していった」と動揺した様子で話した。
近くのコンビニ店で働く40代男性は「バス事故が起きた」と客に聞いて、慌てて飛び出したという。「各地でバスの事故が続いているので怖い。もう乗りたくない」とため息まじりに話した。