長野県軽井沢町のツアーバス事故で、事故車両の運行記録計(タコグラフ)の記録紙を確認した結果、事故直前の速度は時速80キロ前後だったとみられることが22日、捜査関係者への取材で分かった。現場の手前約1キロの峠からの下り坂では一時同100キロ前後で走行していたとみられる。
制限速度の50キロを大きく上回っており、長野県警は、ギア操作の誤りでエンジンブレーキが利かない状態になり、車体を制御できないまま加速して転落に至った可能性があるとみている。
メーカーによると、事故車両のタコグラフはアナログ式。ドーナツ形の記録紙に速度と走行距離がグラフのように記されていき、細かい速度変化が分かる。
監視カメラの映像などによると、土屋広運転手(65)=死亡=のバスは現場から約1キロ手前で下り坂に入った時点では比較的ゆっくり走行していたが、約250メートル手前でかなりのスピードでセンターラインをはみ出しながら左カーブを曲がり、約100メートル地点の右カーブでガードレールに接触、続く左カーブで転落した。〔共同〕