岩手県久慈市の白亜紀後期(約9千万年前)の地層から、小型の肉食恐竜とみられる歯の化石1点が見つかり、久慈琥珀博物館(同市)が2日までに公開した。多くの肉食恐竜は歯にのこぎりのようなギザギザの突起があるが、今回の化石にはこうした特徴がない。
発掘チームの平山廉・早稲田大教授(古生物学)は「あまり見つかっていない珍しい形で、資料として貴重だ」と話している。
化石は長さ20ミリ、幅5ミリ、厚さ3ミリで、2つに割れた状態で見つかった。大きさやナイフ状に反り返った形状から、全長2~3メートル程度の小型の獣脚類の歯と推定される。肉食恐竜の歯の発見は岩手県内で初めて。
平山教授は「ラプトルに代表される、大きなかぎ爪を持つデイノニコサウルス類の可能性がある」と指摘。同様の歯の化石は北米などでも発掘されているが、研究が進んでおらず不明な点が多いという。化石は15日~5月31日、久慈琥珀博物館で一般公開される。〔共同〕