【ワシントン=共同】宇宙空間でトラブルが起きたX線天文衛星「ひとみ」の軌道に、10個の物体があるのを確認したと米戦略軍統合宇宙運用センターが1日、ツイッターで発表した。
3月27日に確認した際は5個だった。その後に新たなトラブルが発生したわけではなく、物体の数を精査した結果10個と判明したという。戦略軍は衛星が分解した破片とみている。
戦略軍のデータを分析している米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル博士によると、これまで戦略軍が「衛星の主要部分」とみて追跡していた物体は、分離した衛星の一部だったことが判明した。マクドウェル氏は「主要部分に見えるほど破片が大きかったわけで、良くない状況だ」と指摘した。
新たに主要部分と認定された物体は、トラブル発生後から徐々に高い軌道に移行しているという。マクドウェル氏は「トラブルにより、軌道を押し上げるような力が働いたらしい」とみている。