中国語で電話対応をするスタッフ=福岡市中央区の「ビーボーン」
熊本県を中心にした一連の地震で、被災地で外国人との会話に困った場合、電話を通じて無料で通訳をするサービスを多言語コールセンターの会社が始めた。24時間10言語に対応する。緊急ダイヤルの番号は092・687・5137。
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会社は「ビーボーン」(福岡市)。全国の自治体やレンタカー会社、病院などと契約し、電話で通訳サービスを提供している。
緊急ダイヤルは利用者に制限はないが、被災地支援にあたる自治体や避難所スタッフ、観光関係の人に活用してもらいたいとしている。
同社には地震発生翌日の15日と16日の2日間で契約先を通じて、約100件の地震に関連する相談が寄せられた。旅館やタクシーの予約のキャンセル依頼のほか、レンタカーを借りているタイ人の観光客からは「宮崎から福岡に帰る道を知りたい」、オーストラリア人からは「熊本にいるが、福岡空港に行くバスはあるか」といった相談があった。
同社では被災地で対応に当たる人々と外国人の間のコミュニケーションがうまくいくようにと、無料で電話通訳サービスを始めることにした。
対応する言語は英語、中国語(北京語)、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ロシア語。震災に関する非常用の相談に限る。
鬼木敏之社長(50)は緊急ダイヤル開設の動機を「被災地で困っている外国人と言葉が通じないために助けてあげられないのは、日本人にも外国人にも双方向で不幸になる。非常事態のいま、自分たちが今何ができるかと考えた」と話す。サービスは8月末日までの予定。(溝越賢)