仏教とキリスト教の宗教家とともに、お葬式について考えてみよう――。東京都三鷹市の市民団体が合同で7日、こんな集会を開く。高齢期を迎えた人たちが「自分の葬儀」を考えるきっかけになれば、と催す。
介護とわたしたち
主催は「2025年問題研究会」と「みたか・みんなの広場」。前者は、団塊世代が75歳以上になる25年に向け、当事者世代として考え活動しようという会。後者は、医療や介護、高齢者の就業などに取り組む7団体からなる。
昨年末、団体横断で開いた忘年会で、葬式が話題になった。「葬儀社にお任せになっちゃってるよね」「お葬式って何なのか、実はあんまり知らないかも」。これが企画の始まり。中心になっている成清一夫さん(68)は「死はタブー視されがちだけど、人は100%死にます。だから『死とは何か』『お葬式とは何か』を考えることを先送りせず、正面から取り上げる会をやろう、となったんです」と話す。
7日の集会では、仏教とキリスト教の宗教家からそれぞれ死生観や葬儀に対する考え方を聞いた上で、疑問点はその場で尋ね、意見交換もできるようにする予定だ。「仏教とキリスト教の宗教家、それに市民が同じ場に集い、語り合う会は珍しいと思います」と、企画に携わっている竹内碩子さん(74)。
自分らしいお葬式にするにはどうするか、そもそもお葬式をやるかやらないかなど、「自分の締めくくりは、自分で前もって決めておくことが大事。この集会をきっかけに考えてもらえれば」(竹内さん)。
成清さんは、離れて暮らしていた父親が17年前に亡くなった。葬儀はどこの寺に頼むか、誰に連絡するかなどは、父親から生前に聞いてあり、父の意向に沿って進めることができた。その経験も踏まえ、「自分のことは自分で決めて書き残して置くことは、後に残る人たちのためにもなります」と話す。
7日の集会は午後2~4時、三鷹市市民協働センターで。参加費500円。問い合わせや参加申し込みは、メール(knarikiyo@gmail.com)で。(友野賀世)