休日の健軍商店街。一部のアーケードと建物が崩れたままだ=5日午前、熊本市東区、関田航撮影
熊本県などでの一連の地震では、熊本市の商店街にも被害が及んだ。元の姿を取り戻しつつあるところもあるが、復興まで時間がかかりそうなところも。店主からは不安の声も漏れる。
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市中心部から約4キロ東にある「健軍(けんぐん)商店街」。7日午前、お年寄りたちが買い物に訪れていた。フルーツ店のパート店員津留文(つるあや)さん(59)は「客足は1週間ほど前から徐々に戻りつつある。ただ商店街の復興にはだいぶかかるだろう」と話した。
約280メートルのアーケードに靴屋や帽子屋、八百屋など約60店舗が並ぶ。開店しているのは6割ほどだ。16日の本震で、ほぼ中央部にあるスーパー「サンリブ」が倒壊。アーケードの一部も壊れて一帯は立ち入り禁止となった。
商店街振興組合によると、この商店街は1953年の「白川大水害」の被害を受けた人たちが市の東部に移り住み、人口が増えたことで店が増えていった。今は、近所に住む高齢者らが主な客層だ。
立ち入り禁止になった区域では地震前、10店舗ほどが営業していた。中村好孝さん(48)は市中心部で約10年、営んでいた居酒屋をたたみ、約7カ月前に移転してきたばかりだった。
店が入る建物は崩れていないが「アーケード倒壊の恐れあり」として応急危険度判定で「危険」と判定された。本震以降、店内に入れていない。地震保険には入っていなかったという。「少しでも早く再開したいが、開けられるのは半年先か、1年先か。せっかくついたお客さんも離れてしまう」と頭を抱える。