2009年4月、チェコ・プラハで演説し、「核なき世界」を訴えたオバマ米大統領=AP
オバマ米大統領は10日、5月下旬の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)出席のため訪日した際、広島を訪問する方針を決めた。日米両国政府が発表した。71年前の原爆投下以降、現職の米大統領が広島を訪れるのは初めて。平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花し、2009年のプラハ演説で自らが提唱した「核なき世界」の理念を改めて広島から世界に発信する方針だ。
世論反発のリスク、オバマ大統領が自ら決断 広島訪問
特集:核といのちを考える
オバマ氏は26日から開かれるサミット終了後の27日に、広島を訪れる。米ホワイトハウスは10日、「オバマ大統領が、安倍首相と一緒に歴史的な広島訪問をする」と明らかにした。安倍首相も10日夜、首相官邸で記者団に「オバマ大統領と共に広島を訪問することを決定した。訪問を心から歓迎する」と述べた。米国内への影響などの諸情勢を慎重に検討した結果、決定が訪日直前までずれ込んだ。
ローズ大統領副補佐官は10日朝、オバマ氏の広島訪問の意義について、「大統領は広島で『核なき世界』の理念のもとで平和と安全を追求するという米国の考え方を再確認する」とウェブ上のブログで明らかにした。原爆投下の決断について再評価はしないとしつつ、「大統領の(広島)訪問は戦時中に亡くなったすべての無実の人々に敬意を表する機会となる」とも述べた。