シャープの高橋興三社長は12日、同社東京支社で2016年3月期決算の記者会見を開いた。約130人の報道関係者を前に約1時間に及んだ会見では、経営責任についての質問が相次いだ。主なやりとりは次の通り。
特集:シャープ買収
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――鴻海の戴正呉副総裁が新社長になる経緯や期待感を教えて下さい。
「(取締役を)鴻海が6人、シャープが3人推薦した。いろいろな議論があったが、(戴氏は)非常に力を持っている人だし、鴻海のナンバー2だ。日本語も話せる。総合的な観点から鴻海が選んだと思うし、私どもも同意した。大きな出資を頂くので、社長の地位は鴻海の指名の方にするのが普通だ」
――一連のリストラで優秀な人材が流出しています。
「非常に危機感はある。なるべく早く給与部分を戻したり、黒字化できれば賞与部分を伸ばしたりして、中長期的には優秀人材のリテンション(引き留め)を続けることが、ひいてはシャープ再生に大きな意味を持つと思う」
――数千人規模の人員削減が報じられています。
「すぐに希望退職をやるという考えはない。人員の適正化については、まだ(鴻海による)出資が終わらっておらず、詳細な検討をできない。いまは明確に申し上げられない」
――家電や太陽光などでも踏み込んだ改革の必要性は感じていませんか。
「家電で赤字を出すのは(テレビなどの)デジタル情報家電だけ。赤字はとまってきている。(太陽光を含む)エネルギーソルーションはまだ処理しないといけないところがある。外に出せるところがないかを含めて考える」
――債務超過になったことで経営面などの影響をどう見ますか。