アフラル・シャームのアフメド・カラアリ報道官=8日、アンタキヤ、メスット・クチュクアルスラン撮影
シリアの反体制派の有力武装組織「アフラル・シャーム」のアフメド・カラアリ報道官(32)は8日、トルコ南部アンタキヤで朝日新聞と単独会見し、同組織がシリア内戦の和平協議に加わるには、「アサド(大統領)退陣が不可欠。この条件が満たされない限り和平協議参加はあり得ない」と断言した。
シリア和平協議、大きな進展なし 主要4議題で一致
シリア内戦をめぐっては、アサド政権を支援するロシアと、反体制派を支援するトルコの仲介で、昨年末に政権と主要反体制派の停戦が発効。ロシア、トルコ、イランが仲介する和平協議と、国連が主導する和平協議が並行して断続的に続いているが、アフラル・シャームはそのどちらにも参加しておらず、動向が注視されている。
政権側は、北部の最重要都市アレッポを昨年12月に制圧、軍事的優位を盤石にしており、アサド氏退陣を求める反体制派の要求に応じる可能性はない。一方、アフラル・シャームはアサド大統領退陣を条件とする以上、和平協議参加の見通しは立たない。アフラル・シャームの協議不参加が続けば、和平協議の進展は困難な状況だ。
カラアリ氏は和平実現へ「移行期間」を設定し、その期間だけアサド大統領を認め、期間中に全てのシリア人による選挙で新大統領を選ぶ妥協案についても、「アサドは市民を殺害してきた犯罪者だ。1日でも長く権力の座にいさせれば、より多くの市民が殺される。認めることはできない」と語り、応じない姿勢を明白にした。
アフラル・シャームは2015…