党首討論で民進・岡田克也代表(中央左)の質問に答える安倍晋三首相(同右)=18日午後3時27分、飯塚晋一撮影
安倍晋三首相と民進党の岡田克也代表による18日の党首討論では、憲法9条の平和主義をめぐって論戦となった。岡田氏は夏の参院選をにらみ、自民党憲法改正草案の9条を「平和主義が壊れる」と批判。首相は「平和主義が貫かれている」と反論した。
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自民党草案では9条で「自衛権の発動を妨げるものではない」と定めている。岡田氏は集団的自衛権を含め自衛権の行使を限定なく認めているとして、「集団的自衛権の行使を全面的に認めることにしたとき、憲法の平和主義は壊れる。絶対に認めるわけにはいかない」と批判した。
その上で岡田氏は、「個別的自衛権しかダメだという(憲法)解釈は今も正しい」「今の憲法9条を当面変える必要はない」と主張した。
これに対し、首相は「必要な自衛の措置しか我々はとらない。侵略は二度としない」と述べ、「自民党草案でも平和主義が貫かれていることは間違いない」と反論。9条改正については「改憲できないという勢力が3分の1以上いればできないし、(発議に必要な)3分の2の形成を図るなかで(草案の)多くは修正されていくことになる」と述べ、合意形成を目指していく考えを強調した。
首相は9条も含めた自民党草案を「国民に議論してもらうたたき台として一石を投じる役割を果たしている」と評価。「民進党も最低限、草案を出さなければ議論しようがない」と岡田氏に憲法改正に向けた党の考え方を示すよう求めた。
これに対し、岡田氏は「草案を出すつもりはない。本当に必要な憲法改正の項目があれば議論したい」とし、憲法改正を目指す首相と、改正の必要性から議論すべきだとする岡田氏の違いが鮮明となった。(石松恒)