浪曲師の春野恵子と講談師の旭堂小二三=大阪市北区、滝沢美穂子撮影 上方の講談と浪曲の世界に、女性の若手が新風を吹き込んでいる。この秋に師匠の前名・五代目小南陵(こなんりょう)を襲名する講談師の旭堂小二三と、海外公演にも挑み、今年デビュー10周年を迎えた浪曲師の春野恵子。次代を担う2人に「女性の演芸」について語り合ってもらった。 ――お互いの印象は? 小二三 自分で切り開いていくすごさというか。自己実現能力が高い方(かた)なんだと。尊敬していますし、ご活躍を見ながら時折、この注目が講談にきてくれたら、みたいな悔しい部分もありました。 恵子 小二三さんのご活躍を拝見すると、私も頑張ろうって思わせていただける。ありがたい存在です。私はわりと無計画な人間なので、思いつくとやらずにはいられないんです。落語はみなさんよくご存じだけど、講談と浪曲はよくごっちゃにされる。だから、いかに知ってもらうかを考えて地道な普及活動に努めているという感じですね。 小二三 講談界でも、とにかく誰かスターが出てくれって常に願っています。じゃないと、いま高座でも講談の説明からしないといけない。 ――なぜ講談、浪曲師に? 恵子 元々は役者さんですよね? 小二三 そうなんですよ。役者の先輩がうちの師匠に講談を習ってはって、「一人で行くの嫌やねん。ちょっとついてきて」と言われたのが最初でした。「なんじゃ講談って」と思ったんですけど、客席と1対1でコミュニケートしていくのがすごいなと思って。すべてを身一つで表現するし、これは究極だなと。 |
「究極の芸」に魅せられて 旭堂小二三×春野恵子対談
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