三菱自動車の燃費不正問題をめぐり、同社が1991年以降に国内で発売した全車種で違法に算出した燃費データを国に提出していたことがわかった。これまで「不正がない」としていた「ミラージュ」のデータも不正プログラムを使って算出していた。三菱自が近く国土交通省に報告する。
特集:三菱自の燃費偽装問題
自動車メーカーは新型車を販売する際、燃費測定の元データで、空気抵抗などを示す「走行抵抗値」を自ら測って国に提出し、燃費値は国が測っている。道路運送車両法は91年、抵抗値の測定方法を「惰行法」で実施するよう定めたが、三菱自は大半の車種について米国向けの「高速惰行法」で測定を続けてきたと公表していた。
関係者によると、三菱自は、適法に測ったデータのように見せるため、専用のコンピュータープログラムをつくり、数値を変換してきた。これまで「不正はない」としてきたミラージュについても、このプログラムを使って算出し、国に提出していたという。
一方、ミラージュについて、実際の燃費値と、カタログに掲載している燃費値には、ほとんど違いはないという。(伊藤嘉孝、奥田貫)