トルコ・イスタンブールのビルギ大学で8日、国際女性デーを祝うイベントに参加した学生に対し、ナイフで武装した若い男の集団が襲いかかり、少なくとも女子学生1人が顔にけがをした。目撃者によると、襲撃した男たちはアラビア語で「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と繰り返し叫んでいたという。
Dear Girls
複数のトルコメディアが報じた。大学当局の発表によると、15~20人の男たちが警備を破って許可なくキャンパス内に入り、テントにいた学生たちに襲いかかった。通報を受けて警官が駆けつけ、襲撃者のうち6人を拘束した。
トルコメディアによると、負傷した女子学生は同大4年のイレム・エスメルさん。顔を蹴られて右目下に青あざができ、まぶたが切れた。エスメルさんは病院で治療を終えた後、「顔を隠した集団が、聖典コーランの戒律を叫びながら襲いかかってきた。テーブルをひっくり返され、私は地面に倒れたところ、顔を蹴られた」と語ったという。
男女格差を数値化した世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」では、トルコは144カ国中130位に低迷している。男女間の格差解消が国の課題だが、その取り組みに保守的な男性の間には反発も強い。(イスタンブール=春日芳晃)