オオサカ学習帳。「おおきに」の意味や使い方、イントネーションが紹介されている
「なんでやねん」「ぼちぼちでんな」――。大阪のデザイナーらが外国人向けに「オオサカ学習帳」をつくった。ひらがなの書き順、主な大阪弁11種類の意味や用法、イントネーションが学べる。表紙はヒョウ柄で、漫才師のイラスト入り。ショウワノートの「ジャポニカ学習帳」を参考にし、同社の許諾も得た。コテコテ感満載の1冊だ。
A5判で全40ページ。まず3千部を制作した。大阪市中央区のイベント会社「リンクコーポレーション」社長の牧香代子さん(40)が、知人で同市都島区のデザイナー大嶌(おおしま)寿典さん(37)に「大阪弁を楽しく使い、大阪をより楽しんでもらおう」と提案。約10年前から大阪・ミナミの商店街で外国人観光客の接客アドバイスなどをしてきた牧さんが、外国人でも使いやすい表現を選び、大嶌さんがイントネーションのグラフやイラストを添えるページ作りを担当した。
具体的な用例もイラスト化。「あめちゃんたべる?」と尋ねる女性に、別の女性が「おおきに」と笑顔で答えている。「おおきに」については、感謝の度合いでイントネーションも変化するとして、説明に2ページを割くこだわりようだ。
牧さんは「『ありがとう』しか知らない観光客に、『おおきに』がどれほど気持ちがこもったものなのか知ってほしかった」、大嶌さんは「海外のかたが一言、『おおきに』と言えば、大阪人なら、絶対反応がいいはず。これを旅の思い出に、また日本に足を運んでほしい」と話す。
費用は賛同者で負担。大阪・ミナミを中心にホテルや飲食店などで無料で配っている。問い合わせはリンクコーポレーション(06・4396・4488)へ。(半田尚子)