チャレンジテストの開始前に、問題冊子を見つめる生徒ら。この中学がある自治体では、大量欠席の問題は起きなかったという=12日午前8時49分、石原孝撮影
今月実施された大阪府内の公立中学1、2年生を対象にした府統一テスト「チャレンジテスト」を巡り、府南部の3校で生徒が大量に欠席した。結果は高校入試の内申点の補正に使われるため、「内申が下がるなら受けない方が得」「先生が受けなくても良いと言った」とのうわさが広まったという。テストの存在意義が問われる事態に、府教育庁は頭を悩ませる。
統一テスト、欠席続出 「休んでいいが」教員発言を誤解
テスト当日の12日朝、府南部の中学校には生徒の欠席を伝える電話が鳴り響いた。「体調不良になった」「家の用がある」。最終的に2年生の生徒157人のうち88人が欠席。だが、翌日には大半の生徒が登校してきたという。
欠席した女子生徒は「先生から『体調が悪かったら受けないでいい』と言われたし、成績が下がりそうだったから」と話した。学校関係者によると、親に登校を促されても拒んだり、遊園地に行ったりした生徒もいるという。
学校側は昨年12月、テストの結果次第で内申点が変わることなどを説明した場で、「体調不良の場合は休んでいいが、がんばれ」などと話したとしている。同校の教頭は「休んでも良いとの誤解や(内申点が下がるという)過度の心配を招いた」と説明。後日開いた保護者会で謝罪した。
チャレンジテストについて、学習塾の関係者は「学校や塾の先生が、内申が下がりそうな生徒に『休んだ方が良い』と、入れ知恵する余地がある制度のように見える」と話す。テスト当日に子どもが受験したという保護者は「まじめにやった方が損をするんなら、不公平なテストになってしまう」と憤る。
別の学校でも、対象となる2年生180人のうち、92人が欠席。理由の大半が「体調不良」だった。もう1校では1年生119人のうち45人、2年生131人のうち70人が休んだ。通っている学習塾から「受けると損だ」と言われたりした生徒や保護者もいたという。