東京都議会(定数127)は10日、2015年度の政務活動費(政活費)の使途を公開した。交付総額8億9160万円(解散会派分を除く)のうち、95%にあたる8億4896万円が使われ4264万円が返還された。舛添要一・前都知事の公私混同問題を批判した都議会でも、事務所費や会費で妥当性が疑われる支出があった。
都議の報酬は月100万円を超えるが、これとは別に、都議会各会派に政活費が交付される。都議1人あたりの政活費は全国最高の月60万円。主な会派の交付額は自民が4億200万円、公明1億6560万円、共産1億2240万円、民主(現・都議会民進)1億800万円、維新(現・民進都議団)3360万円、かがやけと生活者ネット各2160万円。会派別の使用率は、自民が97・67%、公明81・58、共産99・50%、民主99・99%、維新98・53%で、かがやけと生活者ネットはともに全額を使い切った。
全体の使途別では、人件費が2億9381万円(34・61%)と最も多く、広報紙発行費が2億8397万円(33・45%)、事務所費が7232万円(8・52%)で続いた。
都議会は政活費について自主ルールを定めており、事務所費については資産形成しているという誤解を避けるため、自己所有の物件への支出を認めていない。だが、複数の自民都議が自身や親族が所有する物件を会派に貸し付けた形にして、家賃に政活費を充てていた。
飲食を伴う会合については、意見交換が目的なら1回1万円を上限に「会費」として支出が認められている。15年度は前年度並みの計2600万円の政活費が充てられ、1889万円の自民と659万円の公明が98%を占めた。朝日新聞のまとめでは会合の大半は「新年会」で、1日に5カ所以上を掛け持ちした都議は15人に上った。共産や民主は飲食に公費を使うのは政活費の趣旨に反するとして自粛している。