富山市議会の構成【定数40】
政務活動費(政活費)の不正問題で昨年、13人が議員辞職した富山市議会では4月に任期満了に伴う市議選(定数38)が実施される。朝日新聞が1月下旬から今月5日にかけて、この13人に取材したところ、3人が「支持者に求められた」などとして立候補を表明した。一連の問題について富山県警の捜査が続く中、不正によって辞めた議員の「出直し」の動きに、批判も出ている。
富山市議会では昨年8月以降、白紙や架空の領収書を使うなどして政活費を取得する不正が相次いで発覚。11月までに自民会派11人、民進系会派・民政クラブ2人が辞職した。両会派は市へそれぞれ約2千万円を返還した。
立候補を表明した3人は、いずれも元自民会派の市田龍一氏(62)と浅名長在ェ門氏(66)、浦田邦昭氏(70)。現在3人は自民を離党しており、無所属で立候補する意向だ。
現職議長だった昨年9月に辞職した市田氏は1月28日、支持者らに立候補を表明。福岡市に1泊2日の視察に行ったと装ったカラ出張に加え、プロジェクターやシュレッダーを購入したように装うなどして不正取得した政活費計40万円余を市に返還した。立候補を決断した理由を「去年までは反省と後悔、おわびの日々だった。年が明けて地元から出馬を求める声が上がり、気持ちが固まった」と語った。
白紙領収書を使って市政報告会の茶菓子代を不正取得したとして昨年9月に辞職した浅名氏は市に約4万6千円を返還。市町村合併前の山田村出身唯一の市議だった浅名氏は「議員不在により、衰退を心配する声が地元であがっている」。
昨年10月に辞職した浦田氏は市政報告会の茶菓子代を水増し請求したなどとして約29万円を返還した。「意図的な不正ではなく、支持者からも出馬を求める声が強い」と説明。自民公認を視野に一度は復党願を出したが、「波風を立てたくない」と、すぐに撤回した。