貞慶の可能性がある骨が入っていた骨つぼ=奈良県三郷町
奈良県三郷町(さんごうちょう)の真言律宗の寺・持聖院(じしょういん)で塔の下から見つかった骨が、鎌倉初期の高僧・解脱上人(げだつしょうにん)貞慶(じょうけい、1155~1213)の骨の可能性があることが分かった。寺と元興寺(がんごうじ)文化財研究所(元文研、奈良市)が発表した。
骨は昭和30年代ごろ、「貞慶塔」と伝えられる五輪塔の地下から陶器の骨つぼ(高さ約22センチ)に入った状態で見つかった。没後800年に合わせた調査で成人男性の骨と判明。加速器を使った年代測定で「1147~1218年の骨」と割り出された。
貞慶は釈迦(しゃか)の教えを守り、仏教徒が守るべき戒律復興に努めた法相宗(ほっそうしゅう)の学僧。奈良・興福寺で学び、京都府南部の笠置寺(かさぎでら)、海住山寺(かいじゅうせんじ)を拠点に、興福寺北円堂など由緒ある寺院の建物の復興に尽くした。
持聖院の前身・惣持寺(そうじ…