松山刑務所は15日、愛媛県今治市大西町新町にある同刑務所の「大井造船作業場」で、受刑者1人が一時、所在不明になったと発表した。受刑者は約3時間後に敷地内にある受刑者らが生活する寮の屋上で発見された。刑務所が動機などを調べている。
刑務所と愛媛県警今治署によると、一時不明となったのは窃盗罪で服役中の男性受刑者(23)。15日午前8時35分ごろ、この受刑者が寮の朝食時に姿を現さないことに別の受刑者が気づき、刑務官に伝えた。敷地内を捜したが見つからず、刑務所は逃走の可能性もあるとして同9時15分ごろ、今治署に通報。同11時40分ごろ、刑務官らが寮の屋上にいる受刑者を見つけて確保したという。
松山刑務所によると、受刑者の勤務態度はまじめだった。寮内にとどまっていたことから、逃走の意図は薄いとみている。長野孝次所長は「地域の方にご迷惑をおかけし、申し訳ありません。二度と起こらないように努力する」と話した。
大井造船作業場は、造船会社「新来島どっく」(本社・東京)の大西工場内にあり、受刑者が一般の作業員と同じ職場で溶接などの作業をしながら更生を目指す施設。模範囚が入る「塀のない刑務所」として知られる。