女性客が搭乗するまでの経緯
北海道の新千歳空港で5日、女性客が金属探知機の検査を受けずに飛行機に乗った。この影響で乗客約1千人が検査をやり直し、空港は大混乱。なぜ、女性はすり抜けられたのか。
搭乗客が検査受けず保安区域へ 新千歳空港、11便欠航
国土交通省などによると、5日正午過ぎ、エア・ドゥ(本社・札幌市)の羽田便に乗る女性が、新千歳空港の国内線ビル保安検査場Aで、搭乗券を読み取る機械に携帯電話をかざした。搭乗に必要な二次元バーコード画面がうまく読み取れずエラーがでた。
女性はその場にいた警備担当者に「必要なの?」と問いかけた。関係者によると、女性は搭乗までに時間がなく急いでいる様子だったという。
警備担当者はエア・ドゥの担当者に連絡をとるのに手間取り、数分間、女性から目を離した。女性はその間に、金属探知機の横にある車いすやペースメーカーの人たちが通るレーン(幅約1メートル)を通って保安区域に入った。
女性はすり抜けた後、飛行機に乗る直前の手続きでは「チケットを無くした」と話した。エア・ドゥはクレジットカードなどで本人と確認して搭乗を許可。女性が乗った飛行機は午後0時28分に出発した。女性が検査をすり抜けてから飛行機が出発するまでは約15分だった。
女性が特定できず、保安区域内の別の人物に危険物を渡した可能性も排除できないため、各航空会社は午後1時6分、全ての飛行機の運航を停止。検査を済ませた全乗客約1千人を出発ロビーに戻し、検査をやり直した。この影響で、11便が欠航、約160便が遅れた。運航再開に約2時間を要した。エア・ドゥが自社の乗客が検査をすり抜けた人物だと知らされたのは午後4時ごろだった。
2007年7月に香川県の高松空港で男性が無理に保安検査を突破した例があるが、過去にほとんどないケースだった。
女性は責任を問われないのか。
道警警備課は「建造物侵入や軽…