全日本空輸が運航する「ボーイング787」(同社提供)
全日本空輸が運航する米ボーイングの最新鋭航空機「787」のエンジントラブルで、全日空の国内線で欠航が相次ぐ事態になっている。部品交換のため今月は計18便の欠航が決定。9月前半の欠航はない予定だが、その後はまだ見通せていない。B787は以前もトラブルが続いたことがあり、全日空は解消を急ぐ。
全日空のB787、エンジン不具合 9月末まで一部欠航
B787は150~400人程度が乗れる中型機。低燃費が特徴で、全日空は2011年に世界の航空会社で最初に運航を始めた。その後積極的に発注し、業界で最多の50機を運航。保有機の2割を占める。
全日空のB787でエンジントラブルが出たのは2月と3月。東南アジアから日本への便で二つあるエンジンの一つで異常を知らせる警告が出て引き返した。エンジンをつくる英ロールスロイスと調べた結果、エンジン内の羽根状の部品「中圧タービンブレード」の1枚が破断していた。
全日空によると、この部品は飛行時間の長さや地域の空気の汚染度によって腐食が進むため、適宜交換する。飛行中に破断したのは「空気の汚れた地域を飛んで、腐食が早まっていたため」とし、国際線で運航する37機で部品の交換を進めていた。
その後、今月20日、羽田―宮崎便で同じ不具合が発生。交換対象を国内線用を含む全50機に拡大し、ロールスロイスの基準より早く、劣化が予想される部品を交換することにした。このため一部の路線で機材繰りがつかず、欠航することになった。同様の不具合はブルネイの航空会社でも2件あったという。
全日空は、部品のコーティング…