華中科技大学によると、第3世代シンクロトロン放射光源高分解能三次元イメージング技術が、同大の張海鴎氏のチームによる「鋳造・鍛造・フライス加工一体化金属3Dプリント」の知られざる秘密を明らかにした。マイクロ鋳造・鍛造アルミ合金の欠陥のサイズと数が従来のアーク付加製造を大幅に下回り、組織がきめ細やかになり、強靭性が大幅に向上した。科技日報が伝えた。
西南交通大学の呉聖川教授はこのほどこの研究を、金属加工分野のトップレベルの学術誌「Journal of Materials Processing Technology」に発表した。
「この結果は、『鋳造・鍛造・フライス加工一体化金属3Dプリント』が、高速鉄道を始めとする大型先端設備への応用の高いポテンシャルを持つことを示した」。中車青島四方機車車両股フン有限公司(フンはにんべんに分)のサブチーフエンジニアの丁叁叁氏によると、列車の高速走行中に空気力学的作用が急激に悪化し、その材料及び構造の信頼性への要求は既存の技術と大きく異なる。「鋳造・鍛造・フライス加工一体化金属3Dプリント」技術に特有の全組織微細結晶粒や基体の高強靭性などの優位性は、未来の超高速で長耐用期間の地上交通設備の製造に新たなプランを提供できる。
張氏のチームは同技術に基づき、時速600キロメートル以上のリニアモーターカーサスペンションフレームの鍵となるサポート部品のプリントに成功した。現在は呉氏とより高速の高速列車アルミ合金ギヤボックスの製造・修復に取り組んでいるとともに、損傷した車軸とアルミ合金構造の表面修復及び構造の安全性の評価を共同で展開している。
呉氏は「材料内部の損傷の変化と定量的表徴は、重要設備の使用においてボトルネックとなっている技術だ。長期的に破壊的試験や表面観察方法により材料の疲弊度を推定しているため、設計、製造、使用評価の正確な定量が困難だ。ここ10年にわたり、シンクロトロン放射光源を始めとする先進的な光源がこの技術のボトルネックを解消し、重要設備の使用プロセスを理解するうえで『スーパー顕微鏡』のような役割を果たした」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年2月24日