眞子さま、佳子さま、悠仁さま=秋篠宮邸、宮内庁提供
秋篠宮ご夫妻の長男悠仁(ひさひと)さまが6日、10歳の誕生日を迎えた。悠仁さまは皇位継承順位3位。天皇陛下が「生前退位」の意向をにじませるお気持ちを表明したことで、陛下の孫の世代でただ一人の男性皇族としても注目が集まっている。
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悠仁さま、ドッヂビーや大縄跳びも 宮内庁が近況公表
悠仁さまは現在、お茶の水女子大付属小学校の4年生。宮内庁によると、生き物が集まる環境をつくりたいと思い、秋篠宮さまの知人らに教えてもらいながら宮邸の庭に田んぼをつくり、ご夫妻や姉の眞子さま、佳子さまとともに稲作に取り組んでいる。田んぼにメダカやヤゴを放したりそばに小さい池を作ったりして、時間を見つけては観察や手入れをしている。
野菜作りにも夢中で、畑の設計図を書き、いつ、どこに、何を植えて収穫するか考えているという。収穫したジャガイモやトマト、インゲンなどはご一家の食卓にのぼることもある。
学校の社会の授業では、赤坂御用地周辺を歩き、紙芝居にまとめてクラスで発表した。週末などには遠出することもあり、スキーや湧き水のある場所を訪れるなど自然にも親しんだ。
天皇の位を継ぐ皇位継承者として、ご夫妻の教育方針や宮内庁のサポート態勢にも関心が集まっている。
ご夫妻は悠仁さまと皇居を度々訪れ、天皇、皇后両陛下と積極的に交流を図っている。各地に同行させることも増え、8月には新潟県で縄文土器に触ったり、復元された竪穴式住居の中に入ったりした。戦後70年にあたる昨夏は、沖縄戦の巻き添えになった子らを慰霊する集いに参加、戦争に関する展示も観覧した。様々な経験を積ませ、少しずつ皇族の自覚を持たせようという方針という。
ただ、ご一家を担当する職員数は、子が愛子さま1人の皇太子ご一家が約50人なのに対し、3人の子がいる秋篠宮家は約20人。侍従や侍医もいない。宮内庁は来年度予算で、悠仁さまのお世話担当の職員1人の増員を要求した。
所功・京都産業大名誉教授(日本法制文化史)は「天皇陛下や皇太子さまの例を参考に、将来皇位を担うことを見据え、倫理や歴史、政治学などの特別カリキュラムや環境を早く構築することが大事」と話す。(多田晃子、島康彦)