安倍晋三首相は6日、訪問中のラオス・ビエンチャンで、フィリピンのドゥテルテ大統領と会談した。両首脳は、南シナ海をめぐる中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の判決を尊重することを確認。安倍首相は、フィリピンの沿岸警備強化に向け、大型巡視船(全長90メートル)2隻の建造費約165億円を円借款供与する考えを伝えた。ドゥテルテ氏も受け入れる方針で、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。
6月に大統領に就任したドゥテルテ氏と安倍首相の会談は初めて。日本側の説明によると、南シナ海問題について、両首脳は「法の支配」を重視し、平和的な解決に向けて協力する方針を確認した。
日本は2013年度、フィリピン沿岸警備隊への巡視船(40メートル級)10隻の供与を決定し、すでに巡視船がフィリピンに届き始めている。ただ、大型巡視船の供与は今回が初めてで、フィリピン側の要望に応える。フィリピンが日本から資金を借り、日本で建造された巡視船を購入する。
ドゥテルテ氏は会談で、中国の…