群馬大病院で手術後の死亡が相次いだ医療事故問題を受け、同病院の財政状況について会計検査院が調べたところ、事故の影響額は10億円超に上ることがわかった。医療事故が病院経営に与える影響が大きいことが改めて浮き彫りになった。検査院は各国立大学病院に医療安全管理体制のいっそうの充実を求めた。
群馬大病院関連ニュース
群大病院では2014年11月、肝臓の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡したことが発覚。その後、群大病院は診療報酬の優遇が受けられる特定機能病院の承認を取り消されたり、がん診療連携拠点病院の資格を失うなどして補助金が交付されなくなったりした。検査院がこれらの影響を試算したところ、14、15年度で計約10億6千万円の減収となった。
発覚後の15年4~10月の患者数は前年同時期よりも約2万5千人減少、それに伴い、同時期の収入は約6億8千万円減った。また、15年5月から約2カ月間、がんの先進的な治療である「重粒子線治療」の新規患者らを原則受け入れることができなくなった。
同大は朝日新聞の取材に「医療…