関西電力美浜原発3号機(手前)=福井県美浜町
原子力規制委員会は5日、40年を超える運転を目指す関西電力美浜原発3号機(出力82・6万キロワット、福井県)が新規制基準を満たすと認める審査書を正式決定し、安全対策の基本方針を許可した。残る二つの認可の審査も進んでおり、運転開始から40年となる11月末の期限までに延長が認められる見通しだ。老朽原発への許可は関電高浜原発1、2号機(福井県)に続き2例目。原発の運転期間を40年とした原則は、名ばかりになりつつある。
特集:美浜原発
規制委は5日、美浜3号機が新基準に適合すると8月に認めた審査書案について、30日間に寄せられた1390件の意見を公表。4月の熊本地震を受けた懸念や、規制委が使う地震の揺れの想定法を島崎邦彦・前委員長代理が「過小評価になる」と指摘したことなどへ意見が寄せられた。
想定法をめぐっては、5日に名古屋市であった日本地震学会でも、過小評価の恐れを指摘する報告があった一方、今の方法を否定しない専門家もいて、意見は分かれている。規制委は、想定法を定めている政府の地震調査研究推進本部が方針を決めれば、改めて見直すことを明らかにした上で審査書を正式決定した。
美浜3号機は今後、詳しい設備…