高額な新型がん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省は薬価を緊急的に最大で25%引き下げる方向で調整に入った。オプジーボの値段は1人あたり年3500万円程度だが、利用者が急増。販売額に応じて薬価を下げる仕組みに基づき、来春までに値下げに踏み切る。
販売額が想定より大幅に伸びた薬は販売額などに応じて最大25%か50%値下げする仕組みがある。厚労省は5日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の専門部会で、こうした考え方を適用する方針を提案。大きな異論はなかった。オプジーボの今年度の売上高は約1260億円の見込みで、厚労省内では最大25%の値下げ幅を適用する検討を進めている。
オプジーボは皮膚がんの薬として承認され、年間470人程度の患者が使うと想定されていた。だが、昨年12月に一部の肺がんにも使えるようになり、対象患者が1万人以上に増加。保険が適用されるため、公費や保険料の負担が大きくなっている。薬価の改定は2年ごとで、次回は2018年度の予定だが、それを待たず例外的に値下げする。
部会では、オプジーボと高脂血症治療薬「レパーサ」の使用対象を限定する方針を大筋で了承。専門性の高い医師がいるといった条件を満たす病院に限って投与を認め、対象を効果が見込める患者などに絞る。(生田大介)